寿司職人の技を自宅で味わう特別な休日

関西・オンナの美酒佳肴

寿司職人の技を自宅で味わう特別な休日

【出張鮨 須澤】兵庫・芦屋 

仲間うちでちょっとしたお祝いの会をすることになって、真っ先にアタマに浮かんだのが、寿司職人を自宅に呼ぶこと。以前友人のオフィスでお相伴にあずかって、気になっていた出張鮨専門の須澤さんだ。自宅なら普段着のままで、酔いが回ってもソファーで仮眠できる。旅先で買い求めた地酒も片付くというものだ。

出張鮨職人 須澤宏光さん

スタート時間の1時間半ほど前に、たくさんの荷物を持って現れた須澤宏光さんとアシスタント。「場所さえあれば問題ありません」と聞いていたので、雑然としていたキッチンを片付けただけで、とくに手伝うことはなさそうなので、別室で仕事に集中していた。

そして1時間半後、仲間が集まる頃には、テーブルに敷き紙がしかれ、箸置き、皿がセッティングされていた。私たちは、グラスとビールを並べただけで、席につく。

炙った皮をのせたタイ

開始の挨拶のあと、カウンター越しに見えるキッチンでは、須澤さんが魚を切り、時折鍋を火にかけている。そして1カン目はタイ。「味はついているので、そのまま食べてください」とすすめられるやいなや箸をつける私たち。プリプリのタイの上に、湯引きした皮と芽ネギがのっている。「皮をのせてお出しできる機会は少ないので、味わってくださいね」と須澤さん。味付けは大根おろしにポン酢で、口に入れるなり、「うわぁ、美味しい」。みんな、それ以上言葉が出ない。

ウマズラハギは肝と白ネギをトッピングして醤油と一味で味付け。姫路の坊勢島のブランドサバ「姫サバ」はキズシに。カニとカニ味噌は柑橘風味で。鰻の白焼きは鉄板で皮をパリッと焼いてワサビと塩で。ウニ、エビ、中トロ、と次々に味わい深い寿司が供される。須澤さんのスペシャリテである「タクアンの握り」、今回はシソとクリームチーズという不思議な組み合わせながら、味わい深くてびっくり。

さらに、肝とともにさっと炙って出された、まるごとアワビの贅沢感といったら・・・。小ぶりなアワビの表と裏に十文字の切り込みを入れて出汁に2時間ほど浸け、浸透圧の原理で味を含ませているもので、アワビの食感と旨みがたまらない。

須澤さんが出張寿司職人として起業したのは2014年。自宅やオフィス、レンタルルームなどで、気軽に本格的な寿司が楽しめるとあって、知人から始まり、人から人へとリピーターの口コミで広がっていった。

「醤油はつけすぎると魚の旨みがわからなくなるから、ちょうどよい味にしてお客さんに出しています」と須澤さん。あるものは塩と柑橘で、あるものは出汁を加えた特製醤油でと、バラエティ豊かな味が楽しめる。

須澤さんは出張のみの寿司職人で完全予約制だから材料にロスがない、店舗にかかるコストも不要。だからよい素材を入れることに注力できるのだ。自宅のキッチンで、職人が握る姿を見ながら、その寿司を食べる贅沢な時間。参加者全員が、「また来てほしい」と言ったのはもちろんだ。


◆ MENU(税込)
スタンダードコース 5,500円/1名(6名から)
特上鮨コース 8,800円/1名(4名から)
[おまかせ握り12カン、巻物、〆の汁物]

◆ Data
出張鮨 須澤
電話:090-5050-0181(完全予約制)
E-mail:info@suzawa-sushi.com

※新型コロナウイルスの感染拡大防止のため対策した上で取材・撮影しています。
※お出かけの際は府県が発表する最新情報とお店の営業状況をご確認ください。

 


◆ Writing / 松田きこ(ウエストプラン)
http://www.west-plan.com/